自然体験活動指導者(NEAL)資格取得講座が2日間に渡って開かれました。
1年生全員を対象とした講座で、講師はNPO法人国際自然大学校よりお招きした鷲田先生です。
初日は、幼児期の自然体験活動の必要性やリスクマネジメントについての講義が行われました。
例年は、2日目に野外で料理体験をするのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で近くのバーベキュー場が閉鎖されているため、今年は山梨市の古道巡りを通じて野外活動を体験します。
まずは、地元の道の歴史的背景を学ぼうと、山梨の主要な街道について逸話を交えながらの説明を聞きました。
特製マップをバインダーに挟み、8班に分かれて「かのがわ古道」へ向かいます。
短大から歩いて行ける距離ですが、山梨市駅の南側で短大とは逆側になるため、訪れるのが初めてという学生がほとんどのようです。
かのがわ古道は、民家脇に水路が流れる静かな小道。彼岸花などの季節感溢れる植物も見られます。
鷲田先生がチェックポイントとしている石像や石組みは見つかるでしょうか。
道沿いに、村の守り神として300年以上前から祀られているという道祖神がありました。
続いて、お地蔵さんも発見。それぞれに特徴があり、案内板により歴史がわかります。
800mほどの生活道路に、お地蔵さんや観音像、昔の遺構がこれほど集まっているのは、全国的に見ても珍しいそうです。
丸い石をそのまま祀る丸石信仰は、山梨と長野のみに見られる信仰とのこと。丸石は、富士山が噴火したときの石との説もあるそうです。
三面に地蔵が彫られた六地蔵も発見。皆でポーズ!
山梨市らしい葡萄棚の風景もあり、のどかです。
近くに保育園があり、運動会の練習をしていました。子どもたちを見かけると「かわいい!」と手を振って離れ難くなります。
水車が現役で動いている「かのがわ広場」が折り返し地点です。
自然石を敷き詰めて降雨時の土砂の流亡を防ぎ、その見かけから「亀腹」と呼ばれた場所もありました。
かつて洗い場として使われていた「川端」について、鷲田先生が説明します。実は鷲田先生は市のボランティアスタッフとともに事前にこの古道を歩き、知識を深めたのだそうです。
学生たちが楽しめる仕掛けを、と鷲田先生が用意していたクイズ問題もあり、学生たちは相談しながら答えを書き入れていました。
随所に見られる現在地マップ。かのがわ古道は、昭和初期の風景を復活させようと地元住民と市が協働して整備を進めた道で、国土交通大臣賞も受賞しているそうです。
黒江 文(あや)さん(写真)は、「結構最初の方からポイントがあったことがわかり、もっとよく見ているんだったと思いました。子どもたちと一緒にやるなら、水車など簡単に見つけられるものをポイントにすると楽しそうです」と話していました。
古道クイズの答え合わせを行った後は、改めて、幼児の自然保育を念頭に置いた講義です。トイレの場所の確認など事前準備は重要で、幼児に一度にたくさんのことを伝えると忘れてしまうので、少しずつ伝えるといった注意点もあります。
山梨県内で行われている自然保育の事例も紹介されました。季節に応じて稲作体験をしたり、自然の中で創作活動をしたりとその内容はさまざまで、自然の中でのひとときはその後の人生に影響を与える「原体験」となることが多いようです。
実際の活動には細かな活動計画が必要になるということで、活動の目的を意識した計画づくりについても考えます。