ふきのとうとは、キク科フキ属の春の山菜


雪解けとともに一番に顔を出すことから「春の使者」と言われる。雌雄異株の多年草で、早春、葉に先立ち地上に顔を出すつぼみを蕗の薹(ふきのとう)と呼んでいる。ふきのとうに含まれる様々なポリフェノール郡が注目され、中でも「フキノール酸」が血中ヒスタミンを減らすことから花粉症に良く効くとして、フキと共にテレビ等で話題になっている。
他にも、ふきのとうに含まれる「アルカロイド」は肝機能を強化し春のだるさ疲労を解消、「ケンフェノール」は活性酸素など、発ガン物質を除去し、健胃整腸の薬理効果も大きく、気管を正常に保つことから体質改善に効果的といわれている。

ふきのとうの効用】
肝機能強化/疲労回復/新陳代謝の促進/発ガン物質の除去

【オススメのふきのとう料理】
天ぷら・汁の実・おひたし・田楽・ふきのとう味噌

北海道本州四国九州及び沖縄県に分布し、北は樺太から朝鮮半島中国大陸でも見られる。山では沢や斜面、河川の中洲や川岸、林の際などで多く見られる。郊外でも河川の土手や用水路の周辺に見られ、水が豊富で風があまり強くない土地を好み繁殖する。近縁種は旧世界に広く分布し、ハーブとして利用される。また、幻覚作用の報告されているもある。

北海道・足寄町螺湾川(らわんがわ)に沿って自生するラワンブキは高さ23mに達し、北海道遺産に指定されている。かつては高さ4mに及ぶものもあり、馬に乗ったままその下をくぐることもできたという。秋田県にも2mほどにも伸びる秋田蕗があり、全国的にも有名である。江戸時代、秋田藩主の佐竹義和(義峯公とも)は江戸でこの傘の代わりにもなるフキの自慢をしたところ、他の藩主から信じてもらえなかった。そこで、藩主の名誉のために、領民は山野を捜索して一本の巨大フキを江戸に運び、藩主の名誉を回復したという。これにより、傘代わりにもなるこのフキの存在が国中に知られることとなった。葛飾北斎も『北斎漫画』に、フキの下で遊ぶ男たちを描いている。こうした、茎が中空となる巨大な蕗は倍数体によるものである。

特に寒冷地では牧草地で大繁殖する。家畜が食べないので畜産農家からは嫌われている