やまふじ
フジ(ノダフジ) [編集]
日本においてフジといわれるものはノダフジである。本州・四国・九州の温帯から暖帯に分布する。
山野に普通、木に巻きついて登り、樹冠に広がる。かなり太くなるツル性の木本である。花序は長くしだれて20センチメートルから80センチメートルに達する。花は紫色。
蔓の巻き方は、右巻き(上から見て中心から外側へ時計回りに見える巻き方)である。(詳しくは、右巻き、左巻きも参照。)
ノダフジ(野田藤)の名は、この種が植物学者の牧野富太郎により命名されるきっかけとなった、フジの名所であった大阪市福島区野田にちなんでいる。(同区玉川の春日神社には、野田の藤跡碑が建立されている)
一才藤(いっさいふぢ)として園芸用に流通する鉢がある。樹高50センチメートルくらいの、鉢植えや盆栽にして愉しむための一才物のフジ。花枝はしだれるが、支柱などは不要。
ヤマフジ [編集]
他の木に巻きついて大きく成長する。花は淡紫。花序はフジに比較して短く、蔓は上から見ると左回り。本州西部・四国・九州(暖帯)の山地に自生する。鑑賞用に栽培することもある。
フジ属には8種前後の種が属する。
フジ属は、日本、北アメリカ、東アジアに自生し、フジ(ノダフジ)とヤマフジの2種が日本固有種である。このほか、中国でシナフジ、欧米でアメリカフジなども栽培されている。