110429_1040~01.jpg                     この写真は、ミズナラの木です。これは樹液酵母と言い、何かしらの原因で穴が開いた樹皮の箇所から流れ出た樹液で、これに酵母菌が付着してできるものです。  

と    とても不思議な形や色をしていたので、興味を持ち写真に撮りました。

ミズナラの木と樹液酵母について説明します。

ミズナラ(水楢、Quercus crispula)は、ブナ科コナラ属の落葉広葉樹。温帯の落葉広葉樹林の代表的構成種である。別名、オオナラ(大楢)。

シノニムは Quercus mongolica var. crispula。これは本種を北東アジアの広範囲に分布するモンゴリナラの変種と考えての扱いである。

特徴 []

近縁のコナラやクヌギより寒冷な気候を好み、鹿児島県高隈山を南限に、北は北海道から樺太・南千島まで分布する。ブナと並んで落葉広葉樹林の主要樹種の一つである。ブナに比べると、やや明るい場所を好む。樹高は、大きなものでは35mに達する。葉はつやのない緑で、コナラよりももっと波打つようなはっきりした鋸歯(輪郭のギザギザ)がある。5月頃に長さ5cmほどの花を咲かせ、秋には実(ドングリ)が熟す。

なお、日本国内ではミズナラから派生した亜種としてフモトミズナラ(近年まで”モンゴリナラ”と呼ばれてきた陵丘帯分布の集団)およびミヤマナラ(偽高山帯分布の矮性個体の集団)の存在が知られている。

利用 [編集]

ミズナラのドングリはタンニンを含み、そのままでは渋くて食べられないが、灰汁抜き(あくぬき)すれば食用になる。ドングリの中では灰汁抜きが面倒なほうに入り、粉にしないで水にさらすだけでは3か月たってもわずかに渋みが残る。粗い粉にしてから水にさらすと期間が短縮される。もっと短くするためには長時間煮てから水さらしするが、それでも処理には何日もかかる。縄文時代には分布域の東日本で冬の保存食として重要であった。近年まで山村で食べられていたが、現在はほとんど食用にされない。

20世紀にシイタケの栽培が盛んになってからは、コナラと同様に原木などに利用されている。

心材はくすんだ褐色。加工性・着色性に優れ、強度が大きく、重厚感がある。特に北海道のものが良質とされ、「道産の楢」(ジャパニーズオーク)と呼ばれ、輸出もされ盛名を馳せた。近年では国産ウイスキーの熟成樽としても利用されており、国際的に高い評価を受けている。

●樹液酵母●

樹液には糖分が含まれている為、樹木から流れ出ている樹液を生育場所とする菌類は非常に多い。

春先に、主にカエデやミズナラのような新陳代謝の活発な広葉樹が大量の樹液が流れてくる。樹液の中は糖分が非常に多く、その中では酵母菌が繁殖を始め、樹液の中で発酵していく。この時はまだ白く濁ったような色で泡立っており、日本酒によく似た甘ったるい臭いを放っている。

さらにこの酵母菌が発酵した樹液に時期が経つと酵母菌とは別の菌類が繁殖を始める穀類の赤カビ病やイネばか苗病を始めとする植物病の原因菌でもあるフザリウム属と呼ばれるカビ菌の一種も酵母菌により発酵した樹液で繁殖を行うようになる。

このフザリウム属のうち一部の種類の菌には赤い色素を出す。その為、フザリウム属の菌が繁殖している樹液酵母は赤色か、それに近い色になっている事がある。この時の色合いは繁殖するカビ菌の種類によって差があり、血液のように真っ赤になる事もある。昔の書物には「樹木が血を流している」と騒ぎになった事が書かれているらしい。

また、この状態は長く続く事はなく、樹液の分泌が止まってしまうと栄養の供給が断たれてしまうので次第に干からびていき、それに連れて繁殖する菌の種類も変わってしまう為、最後は黒っぽく変色する。

これらがブヨブヨした弾力を持つようになるのは酵母菌の影響ではなく、酵母菌の後から繁殖を始める菌の菌糸によるものである。

ちなみに繁殖しているカビ菌が毒性を持っている種類でなければ一応食べても体に害は出ないらしい。甘い味がするらしく、リスがかじっている姿が目撃される事もある。